脱肛 民間療法と家庭療法

脱肛

いわゆる肛門脱、直腸脱のことで、いぼ痔(痔核)がひどくなって一部が脱出するものと、直腸や肛門が全周にわたって脱出するものの二通りがあります。一般に若い人にみられるものは生まれつきの原因によるものが多く、高年齢層にみられるものは、加齢に従って起こる肛門部や直腸部の支持組織のゆるみによるものが多いようです。女性はたび重なる出産が原因となることが少なくありません。

肛門全部、または、同時に直腸が脱出して、肛門部に粘膜が裏を返すように出て(外翻)、常に粘液が衣類につき、また便が漏れてきます。脱出した粘膜はすれることによって、ときには出血や潰瘍をつくります。高度の場合は、外出、歩行にも差し支え、老人など精神的負担が大きくなります。

子どもの場合は自然に治ることが多いのですが、成年や老人では自然に治ることはありません。多くの場合、進行してひどくなり、治っても再発しやすくなります。

局所の状態によって診断は容易ですが、脱出の程度、肛門括約筋のゆるみの程度を診断し、どのような治療が適当であるかを判断する必要があります。

軽症の場合は便通をととのえ、脱出したら清潔な手指で静かに元に戻し、T字帯などで肛門部を押さえ、長い起立や歩行を避けるなど保存的治療を行いますが、脱出した部分を切除して括約筋を補強する方法や、直腸を上方に固定する方法など多くの手術法があります。

しかし適応を誤ると再発するので、特に老人の場合は手術に熟練を要します。

手術後、傷が治るまでは痔核手術に準じますが、肛門輪を締めて直腸を上方に上げる肛門括約筋および肛門拳筋の強化練習を毎日繰り返すことも必要です。便通は便秘下痢をしないよう常に気をつけます。便秘症の人は便がかたくならないように食物や薬で調節し、また下痢をすると肛門が痛くなるので、食べ過ぎてお腹をこわさないように注意することが大切です。

長時間立っていること、重いものを持って階段を上がることなど、腹部に力が入ることは避けます。食事は痔核と同じくアルコール類や刺激性のものを避けます。



脱肛 民間療法と家庭療法

フナの頭の黒焼き
粉末にして、半分は内服し、半分はごま油でねって患部につけます。
ヨモギとドクダミ
干した葉をそれぞれ5gずつ合わせ、煎じて飲みます。出血を止め、痛みをやわらげます。また、ヨモギの葉を濃く煎じて患部を温めます。
ドジョウ
大きめのもの5匹を氷砂糖50gと一緒に広口ビンに入れます。半日ほどでドジョウは死ぬので、液だけをとります。それを患部に塗って、肛門の中に押し込むと、うま腸が中におさまります。
アオキ
葉を火であぶってよくもみ、やわらかくして肛門に押し込みます。そのあとに、タニシを黒焼きの粉末にして、ごま油でねったものを塗ります。
馬肉
馬肉の脂肪の部分をなべに入れてとかし、冷ましてから患部に塗ります。
ガマ
花粉をラードでねり、肛門に差込ます。
ナメクジ
ごま油に浸し、容器ごと土の中に埋めて、7日間ほどおきます。ナメクジはとけてしまうので、その液をとって患部につけます。
ナスの黒焼き
輪切りにして黒焼きを作り、粉末にしてごま油でねります。ドロッとしたら脱脂綿につけて肛門にはります。
鶏の糞
麻の布に包んで、熱湯につけ、あたたまった布ごと患部にあてがい温罨法します。
炒って布に包み、その上に座って肛門をあたためます。
大根
干し葉を煎じた熱い汁にタオルを浸してしぼり、肛門を蒸します。そのあとにごま油を塗っておくと、うまく腸がおさまります。
ハマグリ
身を茶碗一杯ほど用意し、ガーゼに包んで熱湯につけ、よくあたためます。これを肛門に当てて蒸すと、脱肛で痛むときに効きます。
ドクダミ
全草を濃く煎じ、熱い汁をタオルに浸して患部を蒸します。また、これで腰湯を使っても効果があります。
ヌルデ
葉についているコブを特にフシ(五倍子:ゴバイシ)と呼びます。これにミョウバンを混ぜて煎じ、その汁で患部を洗い、あたためます。

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